Energy flow IAEについて
熱交換器の解析から,ヒートポンプのような単一システム,
マイクログリッドのような大規模システムの解析まで,
エネルギーシステム開発の全工程の大幅な効率化が実現しました.
Energy flow IAEは,開発者・ユーザ双方の時間とコストを削減し,
さらなる省エネルギーに大きく貢献します.
Energy flow IAE
Energy flow IAEはエネルギーシステムの統合解析環境(Integrated Analysis Environment for Energy flow))です.
本環境は,エネルギーシステムの設計から最適構成・最適運転,さらには省エネ性評価・故障診断の検討をシームレスに連動して行うことを可能とします.
これにより,エネルギーシステム開発者は,機器開発時間の短縮,コスト削減を実現することが可能となり,エネルギーシステムのユーザーは,イニシャル,ランニングコストを削減することが可能となります.
これらを総合して最終的には,本環境が省エネルギーに対して大きく貢献することを期待しています.本コードは,次の4つのコードにより構成されます.
Energy flow +M
本コードは,エネルギーシステムの定常,非定常状態を解析するコードで,Energy flow IAEの中核をなすコードとなります.
このコードにより,ユーザーは,コンピューター画面上のGUIを通して単にエネルギーシステムを構成するデバイスの接続情報を与えるだけで,システム解析が可能となります.
このため,非常に複雑な数値解析を実施する必要があるエネルギーシステムの特性解析を極めて容易に行うことが可能となります.
これにより,エネルギーシステム設計者からユーザーまで幅広い方々がエネルギーシステムの特性解析を行えます.
Energy flow +D
本コードは基本的には,既成のCADソフトをベースとし,これにEnergy flow+Mと連携させるインターフェースを追加したものとなります.
これにより,CADソフトで描いた図面から機器の寸法等を読みとり,そのデータをEnergy flow +Mに送付し,エネルギーシステムの定常,非定常特性解析を連動して行うことが可能となります.
図面上に記述したエネルギーシステムの特性と瞬時に確認することが可能となるため,従来,実施していた実機の性能テストの省略等が可能となり,大幅な労力,開発時間の短縮が可能となります.
Energy flow +F
本コードは,基本的には既成のCFD(数値流体解析)ソフトをベースとし,これに,Energyflow+Mと連携させるインターフェースを追加したものとなります.
従来,エネルギーシステムの特定の要素,箇所については,CFDで詳細にその特性が検討する必要がしばしばありました.
しかし,CFDでエネルギーシステム全体の解析を行うことは,ほぼ不可能であるため,詳細な解析が必要なデバイスについては,CFDで数値解析を行い,その他の要素は改めて別の形でシステム解析を実施せざるを得ず,両者の特性が複雑に干渉しあう特性は解析できませんでした.
しかし,Energy flow IAEにより, CFDとシステム解析を練成させた熱流体解析を実現することが可能となります.
また,例えば,エアコンの特性と室内の空気環境との相互影響を解析したいとの要望があがっています.
このような場合にも室内の空気質をCFDで,空調機の非定常状態をEnergy flow+Mで解析し,これらを練成させることにより,室内とエアコンの相互干渉特性を解析することが可能となります.
Energy flow +C
本コードは,基本的には既成の制御系解析ソフトをベースとし,これに,Energyflow+Mと連携させるインターフェースを追加したものとなります.
従来,エネルギーシステムの制御系については,エネルギーシステムの非定常計算を実施することが困難となるため,十分な検討ができていませんでした.
このような制御系の検討不足がエネルギーシステムの性能を大きく低下させている要因であることが徐々に明らかにされてきています.
そこで,Energy flow+Mでエネルギーシステムの非定常計算を行い,これと練成させてシステムの制御系解析することによりエネルギーシステムの最適な運転制御手法を検討することが可能となります.
以上,現在Energy flow+Mの開発を最優先で進めており,Energy flow+D, Energy flow+F, Energy flow+Cについては,適宜開発,連携を進めていきます.