Energy flow+Mについて
本コードは,エネルギーシステムの定常,非定常状態を解析するコードで,Energy flow IAEの中核をなすソフトとなります.
本コードでは,これまでに早稲田大学齋藤研究室で確立してきたモジュラー解析手法をベースとして,エネルギーシステムの数値解析を容易に行うことを可能とします.
モジュラー解析手法では,まずエネルギーシステムを構成するデバイスの数式モデルを構築します.
そして,この数式モデルをもとに入出力端子からなる数式モジュールを作成します.
これらモジュールを数学的に接続することによりエネルギーシステム全体の数式モデルを構築するとともにその数値解析を実現します.
このような手法をとるため,これらの手法をGUIで表現すれば,ユーザーは,単にモジュールを表すアイコンの入出力端子をドローイング画面上で接続するだけで,複雑なエネルギーシステムの解析を容易に実現できます.
例えば,圧縮式ヒートポンプであれば,このシステムを構成する蒸発器,凝縮器,圧縮機,膨張弁の数式モデルを表すモジュールを単にコンピューター上で接続することによりシステム解析が可能となるため,非常に複雑な数式により記述され,高度な数値解析の技術が必要なエネルギーシステムの解析も極めて容易に行うことが可能となります.
これにより,機器設計者であれば,構成機器の設計条件,運転条件を入力することにより,開発システムの定常から非定常までの運転特性を計算することが可能です.
機器のユーザーは,複数接続されるエネルギーシステムの最適構成を明らかにしたり,機器の省エネルギーを実現する最適な運転方法の検討,さらには,システムの省エネ性評価から排出されるCO2排出量の導出、場合によっては機器の故障診断も行うことができます.
また,Energy flow+D, Energy flow+F, Energy flow+Cとの連携により総合的な機器開発,機器最適運転,省エネ性評価等の検討が可能となります.